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教えて事業所捜査隊!!第2回 アルミを鍛えて、その真価を発揮せよ!
- 2015/7/27
- 教えて事業所捜査隊!!
第2回 アルミを鍛えて、その真価を発揮せよ!
今月の捜査対象:株式会社 椛島鍛圧 (椛島栄太 君)
どうも、事業所捜査隊員の大橋です。
梅雨が明けまして、いよいよ夏が本気を出して来ましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
この度、当企画第2回目を迎えましてヨソサマの仕事に対する興味が益々盛んになって参りました。
そしてその興味本位の行動力は留まることを知りません。
さて、当企画では柳川YEG会員の事業所を立入捜査の上、その実態を明らかにすることを目的としております。
なぜなら、私たちは同じ柳川YEGに所属しておりながら、お互いの生業をよく知らないのではないか。
その疑念を払拭することこそ我々捜査隊の責務と信じて疑わないのであります。
では、今回の捜査対象者は『株式会社 椛島鍛圧』そして、部長である椛島栄太君です。
椛島栄太君は現在の椛島社長の長女との結婚を機に椛島家の婿養子となり、その後、機械メーカーのラサ工業(筑後市)での修行を経て、椛島鍛圧に入社されました。
それ以前は税理士事務所に就職されていたとのことで、人生何があるか分からないものです。
捜査に入る前に、今回この椛島鍛圧さんへの取材先決定の経緯なんですが、数ある捜査対象の中で我々捜査隊は満場一致で可決してしまいました。
・・・なぜか?
- なんか作業の音がすごいらしい?
- そのために工場が南関の山の中へ?
- そもそもタンアツって?
などの理由で即決となりました。
さっそく我々捜査隊は柳川に別れを告げて、はるばる熊本県南関町へ向けて車を走らせること45分。
道中、南関町に差し掛かるや、車内では捜査隊の加藤昌弘氏が「そり、なんかん? そり、なんかん?」を連発すること数回、微笑ましい雰囲気の中、山林に囲まれた椛島鍛圧さんに到着しました。
こちら椛島鍛圧さんは主に鉄以外の金属、アルミニウムの鍛造という金属加工を行っている会社です。
そして出迎えていただいた栄太君にはいつもの笑顔で工場内の材料、機械などを一つ一つ紹介して頂きました。
まず目を引いたのは、工場の外に置かれていたアルミの円柱。
直径約30センチ・長さ3メートル程ありそうなアルミのカタマリが数本、もちろん持ち上げられません。
これを原材料として様々な形状にアルミを成形するのだそうです。
そしてその横に置かれてあったアルミの円盤や長く引延ばしたようなアルミの棒。
何気に触ってみた加藤氏、「熱ッ。」栄太君曰く「たぶん、まだ冷えてないよ。」とのこと。
原材料のアルミに圧力を加えて鍛えることでアルミの組織を緻密にし、強度を高めるのだそうです。
そして強度を高めたアルミを納品先の要望に応じた形に成形して納めるのだそうです。
今回の取材では鍛える過程を拝見することが出来なかったものの、成形する工程を見学させて頂きました。
工場内には高さ6メートルはありそうな巨大なプレス機械があり、この機械で400tもの圧力を掛けることが出来るそうです。
想像をはるかに超える圧力ですが、柳川YEGの事務局田中氏(約0.1t)が4000人乗りかかるという感じを想像して頂ければ良いかと思います。
この作業台の上に茶筒より少し大きいアルミのカタマリをセットして、上から圧力を掛けると、ほんの数秒でホットケーキのような形状にプレスされ、すぐに作業の方がこれを水槽へ入れて冷却という作業でした。
ちなみにこのアルミの茶筒状のカタマリは約400°で熱せられていますので、もちろん素手では触れません。
作業の方はこのアツアツアルミを駆け足で運んでいきます。アルミも熱い内に打てということなのでしょうか。
このようにして加工されたアルミのカタマリ製品(粗形材)は納品先を介して幾つかの加工を重ねて最終的には半導体などの材料になるそうです。
こうして鍛造されて出来た高純度で強度の高いアルミが我々の情報社会の根幹を担っていることを考えると、椛島鍛圧さんの技術に尊敬の念を覚えました。
また、このような非鉄金属を鍛造できる企業は九州でも数えるほどしか無いらしく、取引先には鹿児島県の業者もおられるそうで、特殊加工ができる会社の強みだなと感じました。
その他に鉄の溶接加工も行っており、住宅新築時の基礎杭の先端や、その連結部の金物なども製造しておられ、少量多品種に対応できる柔軟性もまた椛島鍛圧さんの強みのようです。
このように主にアルミ加工に特化した業務を行っている椛島鍛圧さん、そして栄太君ですが、今回の話の中でその熱い信念を垣間見る言葉がありました。
それは栄太君がこの仕事を始めた当初の話の中で、遠方の業者からも椛島鍛圧の製品が必要とされていることに対して、「(自分は)この仕事を残していかなければならないと思った」栄太君のその言葉からは優しい口調ながら強い使命感を感じました。
カッコイイです、良いヤツです、感動した!
そんな栄太君が考えているこれからの会社のビジョンは、お客様の満足が自らの満足に繋がるという信念のもと、良い人材による良い製品造りを目指すことだそうです。
人材育成はどの企業でも大きな課題の一つですが、栄太君のその熱い思いは製品を通してきっとお客様まで伝わることでしょう。
最後に、貴重な平日の暑い中一時間以上も取材させて頂きながら、帰りに冷たいジュースまで用意して頂きまして本当にありがとうございました。
やっぱり暑いときは冷たいモノに限りますね、加藤さん。「大橋君、そり、なんかん?」
事業所情報:
株式会社 椛島鍛圧
会社住所 福岡県柳川市南浜武196-1 電話 0944-73-5585
工場住所 熊本県南関町豊永5828-1 電話 0968-53-5022
営業時間 8:00~17:00 (日曜、第2土曜)
※南関工場は南関ICより車で約10分